・考案者
「三溪そば」は、三溪園の創立者である原三溪（富太郎）自身が考案した100年伝承のレシピです。
三溪は、食通であったばかりでなく、自らも料理をたしなみ、考案して家庭内で食しておりました。
「三溪そば」は、三溪が考案した料理の代表作です。

・麺
そばと呼んでおりますが、麺は特別に製麺した細いうどんです。
日本では麺類を総じてそばと呼ぶことが多いため、三溪そばと命名しました。
この細いうどんを軽く炒め、餡（あん）かけの具と彩りのトッピングを乗せてご提供しております。

*そば粉は含まれていません、そばアレルギーの方にも安心してお召し上がりいただけます。
*うどんは小麦粉から精製されていますので、残念ですが小麦アレルギーの方は別の料理をご注文ください。

・餡（あん）かけの具
千切り筍、乾し椎茸、豚挽肉、ネギを炒め、水と醤油ベースの調味料を加えて煮込み、少量の酢と生姜汁を加えた後、
最後に片栗粉でとろみを付けた、いわゆる餡（あん）かけソースです。

・トッピング
彩りとして千切りハム、絹さや、錦糸卵が添えてあります。
餡（あん）とトッピングを少しずつ麺に絡めていただくことで、一口ごとに違う食感と味わいをお楽しみいただけます。

三溪園の創設者：原三溪（富太郎）は、明治・大正・昭和初期を通じた実業家（生糸の生産/販売/輸出業・横浜銀行の前身である
横浜興信銀行の初代頭取等々）で、古美術品の収集家としても知られ、若き日本画家達（小林古径/速水御舟/前田青邨 他）の
パトロンでもあり、更に茶人でもありました。
（生糸の生産においては、後に世界遺産となった富岡製糸場の経営を36年間に渡り担いました：1902～1939）
➩三溪園の歴史と原三溪に付いてはこちらから

三溪は食にも通じ、自ら様々な料理を考案し原家の家庭料理として食しておりましたが、その中の一つに「三溪そば」があります。
「三溪そば」が現在のかたちに辿り着くまで三溪自身かなり試行錯誤の上、試作を繰り返えしたものと思われその起源は不明です。

大正12年（1923年）、三溪は前年の三溪園完成を祝した大茶会（※大師会）を三溪園内に全18席（第18席は食堂）の茶席を設け、
総勢600名の招待客を招いて開催しましたが、その際それまでは家庭料理であった「三溪そば」を初めて招待客に振舞いました。
従いまして、今年（2025年）は「三溪そば」デビュー102周年の年に当たります。
※大師会に付いてはこちらから
⇒https://www.sankeien.or.jp/special/7267/
⇒https://www.sankeien.or.jp/special/5611/

大師会では、当時、現在の三溪園内苑にありました「山吹の茶屋」と呼ばれていた建物（第11茶席）で
「三溪そば」を振舞ったことから、当初は茶屋名にちなんで 「山吹そば」 と呼ばれていました。

待春軒では当店創業者：西郷健一郎夫婦が「三溪そば」のレシピを創業者の母：春子（三溪の長女）より受け継ぎ、
現在も100年前と変わらぬ味で皆様にご提供しております。

「三溪そば」は三溪園内の待春軒のみでしか召し上がることが出来ません。
三溪園にお越しの節は是非待春軒にお立ち寄り頂き、「三溪そば」をご賞味頂ければ幸いです。